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社長挨拶

挨拶に代えて『業界の展望と今後の基本戦略』

高丸工業株式会社  代表取締役  高丸 正

当社を取り巻く市場環境について

産業用ロボットの市場は、日本国内メーカーの年間売上が約5,000億円で平衡しています(下記 受注・生産・出荷年間推移表参照)。さらにロボット周辺機器メーカー、ツールメーカーの売上を加算すると約2倍程度の市場であると予想されます。

しかしこの10年を比較すると、当時約100社あるといわれていたロボットメーカーは現在では10社以下に集約され、業務提携等によりメーカー総数は更に減少傾向にあります。また各社全く異なっていた機械的構造も良く似た形状になって来ました。その上、一部のメーカー間でJIS標準ロボット言語を採用するようになり、以前は全く考えられなかったデータ-の互換性も期待出来る様になって来ました。この傾向は平成12年度 科学技術振興事業団 独創的研究成果育成事業 においてJIS言語の利用法としてのロボットデーターの互換性に付いて研究した当社にとっては形容のしようが無いほどの追い風であります。

平成元年以降バブル景気終了後、世界中であまり良くない景気になった時期も、それなりに総出荷額を維持しているのは事実上市場全体が成長傾向にあると判断しています。また、客観的に考えもいくら人件費が安い地域であっても、ロボットに置き換える事が出来る作業をわざわざ人手でやる事が不自然であり、今後世界中の製造業でロボット化が進むことは容易に予想できます。

最近は「IT」に続く次なる産業は「RT」(ロボットテクノロジー)であると言う意見を良く聞くようになりました。各所でロボット研究会等が発足し、高専や大学の、理工系学生の技術力アップの手段としてロボットコンテストが開催されています。これらのロボットテクノロジーは全て産業用ロボットのテクノロジーと連動する物であり、専門教育としてロボット技術を習得した人材も育ってきています。

現在、世界の産業用ロボット市場における日本メーカーの占める割合は約80%で、この10年間常にトップであります。端的に言えば、日本のメーカー以外のロボットメーカーはスウェーデンのABB社と、ドイツのKUKA社しかないと言っても過言ではありません。また、ロボットの保有台数も群を抜いてトップであります。

1990年ごろには地球上の産業用ロボットの60%以上が日本国内で稼動していました。しかしこの5年間でその比率は激減して2002年度には45%にまで落ちこんでいます。これは日本国内のロボット稼動台数が減ったのではなく欧米諸国のロボット稼動台数が極端に増加しているからであり、各国のロボット保有台数は日本のロボット保有台数と比例するまで増加すると考えられます。一方日本のロボット保有台数は既に横ばいになっており、今後産業用ロボットの新しい用途開発が進まなければ、大きく変化する事も無いと思われます。逆に言えば更なる用途が開発されれば、日本のロボット保有台数が増えると共に、諸外国のロボット保有台数も比例して増加すると言う事であります。

その為、各ロボットメーカーも用途開発に大変積極的であり、当社が進めている用途開発事業にも大変協力的であります。当社は年間に約100台のロボットに関わっておりますが、それだけロボットの扱いになれている当社において生産用のロボットは1台もありません。これは現在の産業用ロボットは量産の部品の製造には適しているが、そうでは無い物には適していないと言う事であります。当社が進めている「RTB」(ロボットテクノロジービジネス)は当社の社内で使用出きるロボットを目標としており、その成果はロボット業界全体に大きく影響を及ぼす事になると考えています。


事業の方向性

ロボット業界は今後急成長すると予想されて既に20年が経ちます。実際1985年ごろからの10年間は目覚しい進歩を遂げました。当時は産業用ロボットに代表される日本の技術が世界中で取り上げられ、「ハイテク日本」と言う形容をされていました。

しかし、実際には産業用ロボットは1995年ごろに日本国内で一通り浸透した時点で1回目の頭打ちになったと思います。その理由を考察すると産業用ロボットメーカー各社はロボット事業のみで独立して成り立っている会社は1社も無く、全てが一事業部であります。したがって会社全体の投資計画にロボット自身の開発計画が大きく左右されることになり、バブル景気が終了した事も重なって各ロボットメーカーも長期的な回収が必要な開発を敬遠するようになりました。結果としてロボットの技術的進歩が遅くなり、また、ロボットユーザーの設備投資計画も見なおしされた事により、販売台数の伸びが止まったと考えられます。

ところが、昨今自動車産業、建設機械産業の大きな投資計画によって産業用ロボットの出荷台数は、これまで止まっていたものが一気に爆発するかのように大変な勢いで伸びています。また海外向けの出荷台数も比例して極端な伸びを示しています。これまでの傾向でも日本のロボット導入が活発になった後に海外のロボット需要が高まっています。これは現在のロボットが使いこなすのに少々技術を要する商品であり、現場作業者の知識レベルが要求されていることに起因しています。

本来、日本国民は江戸時代からからくり人形などを作る文化があるように、ロボットに対して大変肯定的に接しています。子供向けのアニメに出てくるロボットも鉄腕アトム、鉄人28号、ガンダム、などどれを見ても正義の見方であり、外国映画に出てくるターミネーターなどとは大きく異なります。これらの国民性もロボットの導入率に差が出てくる大きな原因であると思います。

要約すると、まずロボットにおける先進国は間違い無く大差をつけて日本であり、今後もこの傾向は変わらないと考えています。したがって日本のロボット業界でリーダーシップを取る事は世界のロボット業界でリーダーシップをとることに他なりません。また、今までの産業用ロボット業界はロボットメーカー主体の閉鎖された市場でしたが、これを改善する事がロボット業界全体の発展につながると言う当社の考えもここに来て急激に評価されるようになり、ロボットメーカーからの協力依頼も寄せられる様にまでなりました。

また、自社商品の開発に努力してきた結果、現在のところ三種類の商品が発表出きて、今受注しているシステムはほとんど全部にこれらを採用したシステムになっています。これらの商品もそれなりに評価されて来たと言う事だと思います。更にこの1年ほどロボット業界は急激な伸びを示しており、当社の売上も今期に入ってからは大変な増加になっています。

今後も同様に情報を発信すると共に、新たなる自社商品の開発に取り組みつづけて行くべきであると考えています。

ますます進化する、高丸工業株式会社をこれからもどうぞよろしくお願いいたします。



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